■日本明慧 http://jp.minghui.org/2008/09/21/mh222199.html 



参考資料:中国汚染ミルク事件、乳児の腎臓結石が多発

(明慧日本)中国の乳製品大手メーカー「三鹿(Sanlu)グループ」の汚染粉ミルクを飲用したことで15日まですでに二人の乳児が死亡、580人が腎臓結石報告された。三鹿社の合資側であるニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)が、問題が発覚する数週間前に汚染された事実を把握しており、商品回収を至急行なうよう中国側に求めていたことを明らかにしたが、ニュージーランド国内から、タイムリーに公衆に公開しなかったことに大きな責任があると問われている。

腎臓結石にかかった武漢市のある乳児(BBC)

 中国国営の新華社15日の報道によると、プラスティック、肥料などに使われている工業用化学品メラミンに汚染された「三鹿(Sanlu)グループ」の粉ミルクを飲用したことで腎臓結石を発症させた乳児はすでに580人が報告され、内二人が死亡したという。汚染粉ミルクは甘粛省酒泉市にある三鹿の提携先「好牛乳業食品」で生産されたもの、中国当局が先週から、商品の徹底回収を実施したという。

 一方、三鹿グループの株式43%を有するニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)は、三鹿社は8月2日に製品が蛋白質の含量を上げる有機化合物メラミンに汚染されたことを初めて報告され、商品回収を至急行なうよう中国側に求めていたことを明らかにした。

 フォンテラ社から三鹿社に何人かの駐在員が常住している。フォンテラのCEOであるフェリエア(Andrew Ferrier)会長がニュージーランド国内の記者会見で、どうして早めに汚染事実を公表しなかったのかという質問に、フォンテラは製品の汚染報告を受けてから直ちに三鹿社に商品の緊急回収を要求したが、三鹿社が中国当局の指示に従って対応しなければいけなかったと説明した。

 「私が言えるのは、フォンテラは本件において完全に責任を持って対応した。私たちは合弁会社の少数株主として三鹿社に再三催促したが、三鹿社が中国政府の条例に従って行動しなければいけないのも現実だ。もし三鹿社が中国当局の指示に従わなければそれこそ無責任だ」とフェリエア会長が説明した。

 フェリエア会長によると、フォンテラと三鹿社が製品の回収に最大の力を尽くしたが、製品回収の手続き及び調査は中国衛生部により対応されていたという。

 回収の遅延は北京五輪と関係しているかどうかの質問に、フェリエア会長が、このような問題については考えていないとコメントを控えた。

 NZのメディア「The World Today」の報道によると、ニュージーランドの「経営論理センター」のロジャー・スピラー氏(Roger Spiller)が、フォンテラ社が同件において責任を持って対応したかどうか大きな問題があるとの見方を示した。

 「企業側が原則はきちんと実施されるためのプロセスを監督する責任がある。本件について、株主らがフォンテラ社はプロセスの確保をどのように実施しているのか説明してほしいでしょう」とスピラー氏がいう。

 ニュージーランドの緑の党(Green Party)がフォンテラにどうして同件を早めに公開しなかったのかと原因究明を求めた。クラーク首相が、フォンテラが事件を把握してから直ちに製品の全面回収を求めたが中国の地方政府にブロックされたと話した。ニュージーランドの外相が9月5日、直接中国を訪問同件について中国側に対応を要求したという。

  政府側と工場がなぜ1ヶ月以上も後になって真相を公布したのかにいついて、北京五輪と関係があるのではないかとの意見もある。しかし政府側の専門家は通達の遅延問題は存在しないと発表している。

 事件発覚後、中国当局は迅速な措置をとり、その矛先は利益のために牛乳の中にメラミンを添加したと疑われる不法酪農業者に向けられた。新華社13日の報道によると、河北省警察はすでに牛乳への有害物質混入に関係する78人を容疑者として拘束している。

 河北省当局と粉ミルクを製造した「三鹿」グループは、共に不法酪農業者が全ての事件の元凶であると強調しており、関連企業と品質検査部門がどのような責任をとるかについては触れていない。

 VOAの取材に応じた石家庄で店を経営する白さんによると、当局と企業が責任逃れのため、中国企業のイメージを著しく損ねた責任を酪農家転嫁したという。「酪農家は牛乳を搾って売っている。もし品質に何か問題があるならば、その時検査は出来るはずだ。そうでしょう?検査して問題があれば返品すればいいのだ。違いますか。酪農家には何の関係もないことだ。肝心なのは品質のチェックをきちんとしていなかったのだから品質検査部門も責任を逃れることは出来ないはずだ」

 一部のネットユーザーは、9月11日に中国衛生部がこの問題について公表した際、なぜ汚染された商品が依然として市場に出回っていたのかという疑問を持っている。石家庄市で機械・電力設備業を経営する劉さんはVOAに対し、「生産した商品がだめなら、まず一部の商品を密かに回収し、どうしようもなくなってから公表する」と、生産企業の利益優先の姿勢を批判した。

 2008年9月21日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2008/9/16/186032.html

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