思わぬ出来事で人生が変わった
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 【明慧日本2020年9月27日】(明慧記者=沈容)18年前、羅立惠さん(22)は自分の明るい未来に胸を膨らませ、南科電子産業に入社し、多忙な毎日を過ごしていました。周囲から羨(うらや)まれる高収入でしたが、強いプレッシャーの下で毎日の徹夜や残業で、12時間以上働いていました。自分は一体何のために、こんなにも身を粉にして仕事をしているのか、その稼いだお金で、どんな人生の娯楽を享受できるのか? 30歳になった羅さんは不意にそう思い始めました。

 羅さんは当時のことを振り返り「私は当時、若い時に一生懸命稼げば、早く引退できると思っていたのですが、体力の衰えを感じ始めました。そんな矢先に直販の仕事に出会いました。お金も稼げ、同時に健康食品から健康も手に入れることができるなんて一石二鳥だと思い、電子会社の仕事を辞めて直販の仕事を始めました」と話しました。以下は、明慧ネット記者の沈容さんの取材を受けて、答えたものです。

 やるなら最高の結果を出すのがモットーの羅さんは、昼夜を問わず全力で働き、僅か3年で驚きの額の昇給を果たしましたが、収入が最高額に達したと同時に、人間の最も醜い一面にも気づきました。完全歩合制の直接販売直販)は、仲間と一緒に成功することが出来ず、個人の業績が評価されるので、自分が儲かる一方で、仲の良い同僚がやめさせられるのが非常に心苦しかったのです。そのことは羅さんに大きなショックをもたらしました。

 羅さんの目指した「3~5年働いて、一生分の額を享受する」という夢は、生きるか死ぬかの現実の中で消え去りました。羅さんがまさに倫理観と仕事で成果を残すことの狭間で揺れている時、健康診断で人生のどん底に転落しました。医者に「あなたは病がステージいくつか知りたいですか? もうすでにステージ4(末期)ですよ」と言われました。

 展開があまりにも急すぎて、30歳の若い女性の羅さんにとっては残酷過ぎるものでした。羅さんは肉身のもろさに気づき、自分が今、死と隣り合わせだということを痛切に感じました。病院で電気療法と化学療法を同時に受けた経験から人間は病気になると何もで出来ず、医者や看護師に言われるがままに自分を差し出すしかないと感じました。どうにも出来ない状況で、死に対する恐怖心も薄れ、自分の資産を託して逝くときは逝くしかないと思いました。ただ、母親のことを考えると悲しくて、こんなに大きくなったのに病気で心配をかけるなんてと思いました。

 人生は無情なもので、病魔によって羅さんは追い求めていた名利を諦めざるを得ませんでした。そして病床の中で、自分は一体何を追い求めていたのかと反省しました。「直販の仕事で、私は名利や情に狂わされ、成功のためにひたすら走り続け、若い段階ですでに大金を手に入れました。しかし健康を失ってからは、過去に追い求めていた金銭や名声は大したものではなく、数年で稼いだお金も取るに足らないものだと、これまでの人生を振り返ってみて思いました」

 痛みで眠れない日、毎夜毎夜「なぜ、私なの? でも人生で何かを失う時は、人が生きる上で何が最も大切なのかを分からせるためです」と自問自答しました。冷静になり、様々な出来事を思い返すと、なぜ病になったか突然わかったような気がしたのです。行動を止めて、自分がこの世に存在する真の意味を理解させ、正しい道に導くために神がそうしたのだとすら思いました。もし病気がなかったら、俗世間の道楽を手放すことは出来なかっただろうと思います。

 暗闇の中の一筋の光

 暗黒の日々が続く中で、彼女は友人や親戚などから様々な治療法を紹介されました。その中で法輪大法の輝きと清らかさに目がとまりました。叔母から法輪大法を勧められたので、いくら必要なのか尋ねると、「謝礼は一切必要ないわ、無償よ。師父はあなたの向上心、善に向かう心しか見られません。人心を真っ直ぐに指します」という叔母の言葉を聞き、心の中で、「これこそ、私が探し求めていたものだ。法輪大法を修めたい!」と叫びました。

 しかし最初の頃、羅さんは修煉とはどんなことなのか分からず、ただ同修と一緒に学法し、煉功し、忍耐の中で自分の境地を高めました。羅さんが一番難しいと感じたのは、第五式の功法の坐禅です。どうやってこの1時間の最後の一刻を乗り越えればよいか、いつも、痛みに苦しみました。毎度我慢できずに泣きそうになる時、必ず師父の「本当の劫難に直面した時、あるいは関門を乗り越える時に、試してみてください。耐え難いものを耐えてみてください。乗り越えられそうもないと見えても、行ない難いと言われても、本当にできるかどうか試しにやってみてください。もし本当にやり遂げられれば、きっと『柳暗 花明 又 一村』というように、眼前に新たな世界が開けることに気づくに違いありません!」[1]を思い出しました。

 羅さんが歯を食いしばり苦痛に耐える中で、悪いものが消滅すると同時に、羅さんの体は絶えず浄化されていきました。煉功して間もない頃、一時期生理のような黒い血が流れ続けました。最初は少し怖かったのですが、同修と交流する中で、師父が法の中で「常人の社会では、名誉や利益のために、人と奪い合い、争い合ったりして、睡眠も食事もろくに取れず、身体をひどく傷めており、他の空間から見ると、あなたの身体は骨まで黒くなっています。 こんな身体を一気に浄化してあげるのですから、何の反応もないというわけにもいかず、反応は必ずあります」[1]と説かれていたので、徐々に心が落ち着き、その後、黒い血も止まり、体も全体的に軽くなったと感じました。

 「修煉者になる決心をしたら、必ず努力を尽くす」と修煉を堅持する中で、羅さんは次第に第五式の功法の坐禅の関門を突破することが出来ました。人生観、価値観、宇宙に対する考えも、学法の中で飛躍的に向上していきました。両親から溺愛され育てられた羅さんは、衣食に困らず、欲しいものはすべて手に入れることが出来たので、自然に自己中心的で気の強い性格に育ちました。自分の言うことは全て正しく、みんなが自分の言うことを聞くべきで、人から指摘されるのが嫌いでした。修煉してから数年間は法の意味を深く理解できず、自分の内に向けて探すことすら分かっていませんでした。しかし、たゆまぬ学法を通して、自分の内に向けてを探すことが出来るようになり、家であろうと職場であろうと、すべての出来事は修煉と密接に関係していると認識しました

'图1:透过不断的学法,立惠意识到自己遇到的一切事情都和修炼息息相关。'

自分に起きたすべての出来事は修煉と密接に関係していると認識した羅さん

 羅さんは「以前自分が攻撃されると、問題は相手にあって、誰々がそうしたせいでこうなった、誰々が原因でそうなった、と思い込み、とにかく間違っているのは全て他人だと、いつも自分を擁護していました。しかし今では、なぜこの事が自分に起きたのか? 自分は間違った事をしていないか? 取り除いていない執着心があるのではないか? などと、内に向けて考えるようになりました。

 歩んできた道はすべて自分の心を変えるために起きた布石だ、と悟った羅さんは、修煉は人間界での行脚と似ていて、起きた出来事や出会った人、自分の持つ能力まですべてに理由があります。全てが自己を向上させるための道であり、法輪大法と縁を結ぶ道なのです。何もかもが必然的で理由があるなら、自我を放下して相手の立場に立って物事を考え、相手の気持ちを理解すべきだと思い、自分を見つめ直し、内を探すことができれば、多くのことを変えることが出来ると思うようになりました。

 これ以来、何かが起きた時にまず自我を放下するようになった羅さんは、自己中心的な考えも次第に消えていきました。心が洗われて明るくなり、自分が大病を患っていたことさえ、忘れることが出来ました。「30歳から修煉して今日まで10年が経ちました。40歳になる今のほうが以前より若々しく、体調も若い頃に比べて良いのです。昔は仕事が忙しいのでいくら寝ても寝ても眠く、体がだるく元気がなかったのですが、今では毎日が清々しい気持ちで顔色もよく、実家に帰る度に父親から修煉して健康で元気になった、とよく言われます。

 幸せを手にする唯一の道

 気がつけば10年もの月日が過ぎた羅さんは、絶望の淵に立たされた末期がん患者から、健康で幸せあふれる人になりました。今の彼女はかつて死に直面して苦しんでいた人とは思えません。大法修煉の経験がなければ、自分がなぜこの世に生まれてきたのかわからなかったでしょう。羅さんがかつて追い求めていたのは私生活をよりよくするものばかりでした。修煉してからはそれらがいかに表面的で、空虚なものであるかに気づきました。今はどんな困難や障害に遭おうとも、もう慌てたり恐れたりしません。地に足を付けた大法修煉の生き方は、世の中の全てのものと比べ物にならないと羅さんは今までの人生を振り返りました。

 人生で最も大切なのは富を有することだと思っていましたが、大法修煉を通して、そうではなく、健康な体で修煉していくことだと思うようになりました。真・善・忍の道で命が蘇り、大法の修煉によって弱々しくちっぽけな自分が、宇宙で最も価値のあるものを持つようになってから、人々を清らかで美しい浄土への帰路に導いてくれるのは、この法輪大法しかないと気づきました!

 羅さんは「足を止めて、生きる意義を見つけられるよう、人生にこのような貴重な按排をしてくださった師父に、心から感謝しています。今世で大法弟子になれたことをとても幸せに思います。師父の慈悲なる救い済度に対して、さらに力を尽くして精進していきたいと思います」と、これまでの自分の生き方の変遷を気持ちを込めて、取材を受けた沈容さんに話しました。

 注:
 [1]李洪志師父の著作:『轉法輪

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/9/3/411286.html)