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バンクーバー市政府、中国領事館に意見を求め法輪功修煉者の抗議活動を規制(写真)

(明慧日本)バンクーバー市政府が2006年、法輪功修煉者がバンクーバー市の駐中国領事館前で行っている抗議活動を制限する都市条例を制定したことに対して、裁判所は、2010年に6カ月以内の改善を命じた。この事に関して2011年4月7日午後、バンクーバー市政府は公聴会を行い、条例を修正した。しかし、修正された法案は元の条例より厳しいものとなり、裁判所の裁決の趣旨から逸脱しているとの指摘が挙がっている。さらに、バンクーバー市政府が条例改正前、中国領事館に意見を求めたことが発覚し、各界からの疑問視と非難の声が寄せられた。
駐中国領事館前で平和的に抗議を行う法輪功修煉者
市政府の改正草案に対し、4月13日に法輪功修煉者が記者会見を行った

 裁判所が都市条例を憲法に符合させるよう命じる
 
 ブリティッシュコロンビア州上訴裁判所は2010年10月19日、法輪功修煉者が駐中国領事館前で法輪功迫害のパネルを展示することを、バンクーバー市政府が都市条例を制定して規制したことについて、カナダ憲法で保障される言論の自由に反していると判定した。裁判所は、市政府に6カ月以内に都市条例を改正し、憲法に符合させるよう命じた。2011年4月19日がその期限である。
 
 バンクーバー市政府は中国領事館に意見を求めていた
 
 2011年4月7日午後、バンクーバー市政府は、市政事業課が提出した都市条例改正案についての公聴会を開催した。この条例改正案では、市民の活動に対して多くの制限事項が盛り込まれ、元の条例よりもさらに厳しいものであるとの指摘を受けた。
 
 さらに、この条例改正案はバンクーバー市の駐中国領事館に意見を求めた上で作成されたもので、現地メディアによって報道され、市政府の関係者も公聴会で中国領事館から意見を求めたことを認めた。都市条例の改正において、外国政府の代表機関から意見を求めたことに対して、バンクーバー市の議員と市民らは衝撃を受け、大手メディアもこの件に注目し始めた。
 
 公聴会に参加した法輪功側の弁護士クライブ・エインズレー(Clive Ansley)氏は次のように語った。「条例改正について、カナダ人に意見を求める前に、中国領事館に意見を求めたということは非常に不可解です。カナダ憲法はカナダ人に言論の自由を保証するものであるのに、外国の領事館に意見を求めることは正常ではなく、国の基本原則に関わる問題について、外国政府に意見を求めてはなりません」
 
 公聴会では、エインズレー弁護士のほかにも多数の議員がこの問題について指摘した。
 
 民間団体からの指摘
 
 カナダ価値守護連盟の代表リュウ氏は、「カナダ情報局長Richard Fadden氏がすでに警鐘を鳴らしているように、外国勢力がカナダに影響力を持っていることは明らかであるが、今回のようにバンクーバー市政府が条例の改正にあたって、外国政府機関に意見を求めたことは、自主的に外国勢力の影響力を受け入れ、介入を求めることであり、より悪質なケースである」と述べ、さらに「数千人の法輪功修煉者を殺害し、数万人の法輪功修煉者の生体から臓器狩りを行い、平和的に請願した学生を戦車で轢き潰し、銃弾で市民の胸を撃ちぬいた中共(中国共産党)政権に意見を求め、影響力の行使を受け入れることを、我々は容認できない」と訴えた。
 
 バンクーバー市の法輪功友の会代表セイディ・キューン(Sadie Kuehn)氏は、「法輪功修煉者の抗議活動を支持します。彼らは生命を救っており、多くの組織の先駆者となりました。実際、我々は法輪功への感謝の気持ちで胸がいっぱいです。彼らは自分たちの方法で貢献し、人々に平和的な抗議手段で物事を解決する方法を教えています」と涙ながらに語った。
 
 カナダ勲章の受賞者で80歳になる元国会議員Simma Holt氏も現場に足を運び、法輪功への支持を表明した。Holt氏は「もし、前世紀の30年代に法輪功のような団体があれば、ユダヤ人虐殺は避けられたでしょう」と述べた。Holt氏はさらに、「経済の発展だけを重視してはならない。ナチスドイツのヒトラー政権も非常に強く、強大な経済力を持っていたが、結局、極悪非道の大罪を犯してしまった。私は市政府が中共政権の共犯者にならないよう呼びかける」と述べた。
 
 カナダチベット委員会会員のRaymond Yee氏は、「我々がバンクーバー市の駐中国領事館前で立ち上がって抗議しなければ、悪人を助けて悪事を働かせ、中国で行われている人権侵害を認め、法輪功修煉者への迫害に同意することに等しい」と語った。
 
 事件の経緯
 
 法輪功修煉者は、2001年8月20日からバンクーバー市の駐中国領事館前で抗議活動を続けてきた。2006年8月11日、バンクーバー市の元市長サム・サリバン(Sam Sullivan)氏は、都市と交通条例に基づき、ブリティッシュコロンビア州高裁に上訴し、法輪功修煉者が領事館前に立てた看板と、仮設小屋を取り壊すよう求めた。2009年1月、高裁は裁決を下し、市政府側が勝訴した。法輪功修煉者は高裁の裁決に従いながら高等上訴裁判所に上訴し、2010年10月19日に下された判決で逆転勝訴した。
 
2011年04月17日


(English:http://www.clearwisdom.net/html/articles/2011/4/16/124436.html
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