仏国会議員65人が署名 臓器提供の倫理尊重に関する法改正案
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 【明慧日本2020年10月1日】フランスの法輪功学習者たちは長年にわたり、多くの都市にブースや情報ステーションなどを設置し、迫害の実態を伝えてきた。有名な観光地で、中国共産党(以下は中共)の残虐行為を明るみにした。また、現地の議員たちにも真相を伝え、中共が臓器収奪や法輪功学習者の臓器を売買している実態を伝えた。フランスの患者が中国に渡航して臓器移植することを防ぐため、政府に対して臓器売買を助長しないための対策を講じるよう呼びかけた。

 9月15日、フランスの国会議員レデリック・デュマ氏が発足し、国会議員65名が共同署名した第3316号「臓器提供における倫理尊重の保護」の法改正案を国会に提出した。

        '图1:发起议案的法国国会议员弗雷德里克·杜马斯女士(Frédérique Dumas)'

議案を発足したフランス国会議員レデリック・デュマ氏

 この改正案は、主に欧州以外の国における臓器移植に関する事項で、臓器移植の過程で倫理尊重を保護することを主な目的としている。

 9ページに及ぶ法改正の「動機書」で、国会議員はフランス人の中で移植ツーリズムが行われている可能性があると指摘した。つまりある患者は臓器移植を受けるために、欧州以外の国、特に権威主義国や非民主的な国に渡航している。そうなると、生命倫理学分野におけるフランスの法的枠組の基礎である尊厳、団結、自由の三つの原則に反する行為となる危険性があるのだ。

 また「動機書」では「まぎれもなく、臓器移植は医学や技術の進歩によるものであり、多くの患者の命が救われた。フランスで臓器の提供と移植制度の発展の主な原則は、生者と死者の身体の尊重、人体の不可侵性の尊重、提供者の同意や匿名性の尊重、そして最後に提供の無償性の尊重である」と書かれている。フランスの法律では、これらの倫理規定に違反すると7年の拘禁や10万ユーロの罰金で処罰される。

 フランスや欧州では故人のドナーと生前者のドナーからの臓器の取得を厳しく規制しているため、臓器の供給と需要の間には差がある。移植できる期間は約3年で、毎年待機時間が増加している。

 「動機書」では、また「1980年代以降、移植ツーリズムの問題が出て来た。すなわち金持ちは貧しい国に渡り臓器を買いに行く。しかし、最悪のケースは中国の移植ツーリズムで、主な臓器の出所は『良心の囚人』である。独立調査報告によると、今は中国の『良心の囚人』は主に法輪功学習者(佛家の精神修煉者)、ウイグル族、キルギスとカザフのイスラム教徒、チベット仏教徒、そして(国内の)キリスト教徒である」と述べられている。

 国会議員は「動機書」で「2006年以来、いくつかの独立調査が発表され、中には2名のカナダ人、元アジア太平洋担当大臣デービッド・キルガー氏と国際人権弁護士デービッド・マタス氏の調査が含まれる。2016年に発表された817ページ及ぶ報告書の中で、彼らは中国で毎年9万件の秘密臓器移植を行っていると推定している。それに、待機時間が短く、平均12日だ」と述べた。国会議員の見解では「『自由に情報を知る』ことに基づく寄付の原則に体系的に違反する可能性があります」と語った。

 提供された証拠や分析では、国会議員は「欧州機関はこれらの犯罪に対抗するための制裁措置を採用していない中、フランスの公的及び民間医療機関が臓器移植に関連した人権侵害に加担することを防ぐために、フランスの国内法を改正する必要があります」と述べた。

 また、国会議員は改正が必要な6つの条項を添付した。その中の一つは「移植契約は欧州諸国以外の公的または民間の医療機関が、条約で定められた倫理原則を遵守しているかどうかを国家倫理諮問委員会が検証することを条件としている」ことについて述べている。他の条項も、これに基づいて強化と補足的な監督を要求している。

 添付資料:フランス国会議員65名が署名した「臓器提供における倫理尊重の確保」に関する第3316号法改正案の原文(68KB)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/9/27/412340.html)
 
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